今日こそ絶対に自殺します。
そんなある日、私は学校の道徳の時間に『愛』についての授業を受けた。
「みなさんにとって『愛』とはなんですかー?」
友達のみんなは次々と答えていった。
『愛』とは家族です!
『愛』とは優しさです!
『愛』とは好きになることです!
次々に出る答え、友達の笑顔。
そんな中私は―――
―――『愛』がなんなのか全然分からなかった。
「えっとじゃあ、次は後藤田さん!」
「……え?」
「後藤田さんにとって『愛』ってなんですか?」
「愛…ですか…?」
「そう!なんでもいいのよ!答えてみて」
「えっと…えっと……」
―――分から、ないです……
その授業があって以来、私は愛について考えるようになった。
『愛』って何?
『愛』ってどういうもの?
ひたすら考えて考えて考えたけど、やっぱり私には愛が分からなかった。
それもそのはず、
学校ではうまく友達ができなくて、逆にボロボロの服をいつも馬鹿にされてちょっとしたいじめにもあっていたし、家に帰れば大量の家事と、怖いおばさんが待っているのだ。
今考えてみれば、どうして愛が分からなかったのか、その答えはとってもとっても簡単だ。
ただ私がその『愛』に触れたことがないだけのことだったのだ。
私の周りには愛がない―――
愛がほしいな―――
私は悲しみに浸りながらも、ずっとずっと愛を求め続けていた―――