今日こそ絶対に自殺します。
刺激が強すぎる内容だったけど、
「―――ん?」
私はあるページで目を止めた。
それは主人公が泣きながら先輩に告白するシーン。
『僕には…僕には『愛』が分かりませんでした!
……だけど!!
先輩はそんな俺に、どん底に落ちた俺に、はじめて『愛』をくれたんです…!』
―――ドキッ
愛……
『俺…グスッ…先輩が好きです!!
はじめて愛が何なのかを教えてくれた先輩がものすごく好きです!
愛、それは…グスッ…それは…!
自分をこんなにも泣かせて、こんなにも心を温かくさせるもの―――
先輩…あなたです……』
―――ポロッ
「あれ…?」
気づいたら、私は涙を流していた。
「あれ?なんで私…泣いてるの?」
自分でも正直分からなかった。
たかが男どもの恋愛を読者として見ているだけのものを……
でも、理由の分からない涙は私の中からどんどん溢れてくる。
『こんなにも泣かせて、こんなにも心を温かくするもの―――』
「あ……」
主人公のセリフを思い出して、私は思ってしまった。
私は今、涙を流している。
―――だけど、この涙は悔しさとか悲しさとかそういったものじゃなくて…
私の心をものすごく―――温かくしている涙だ……
「これが―――『愛』―――?」
手に持った一冊の漫画。
私が奇跡的に出会った、私に『愛』を教えてくれた、私に希望を与えてくれた―――
―――一冊の漫画。
これが―――『愛』だ―――!
どう勘違いしたのか分からない。
だけど私はこれを愛だと勘違いした。
私にとっての『愛』、それは―――ボーイズラブ!!!