今日こそ絶対に自殺します。





それから私はBLにものすごくハマった。



ものすごく切なくて、ものすごくドキドキして、

そしてなにより…一番美しい愛が描かれている!




私はそれから生きる喜びを感じるようになった。


毎日がものすごく明るく見えた。


私の近くには、ちゃんと『愛』がある!!


そう自信を持って言う事ができた。



毎日毎日古本屋に通い、BL漫画やBL小説をまるで噛みつくように読みまくる…!


そんな日々が、私にとっての幸せとなっていった―――






―――だけど、その幸せの形は、ある出来事によってまた崩れていってしまったのだった。








ある日学校での出来事―――



「ミキちゃん」


「あ、なんですか先生!!」



机で(男どもの)絵を描いていた私に突然先生が話しかけてきた。



「後ろの壁に貼ってある『愛』って何?のコーナーあるでしょ?

…あそこに書いてないのミキちゃんだけなんだ」


「あぁ…」


そう、それはまさに以前道徳の時間にやったものだった。


自分にとっての『愛』を書いて後ろの壁に飾る。


愛が分からなかった私は白紙のまま提出したため、後ろの壁は私のところだけ空白だった。




「書いてもらえるかな?ミキちゃん」



恐る恐る聞く先生に、私は堂々と言った。







「―――――はい!いいですよ!!!!!」



もう喜んで!って感じだった。


なにせ私の近くにはこんなにも堂々とした『愛』があるんだもの!





渡された紙に、私は目をキラキラさせながら―――



書いて……しまった………。






ボ-イズラブ!


と―――





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