今日こそ絶対に自殺します。
◇ 謎の男
◇ ◆ ◇
『ねぇ、そこの君〜
ちょっとそこで、お茶でもしないかいっ?』
さっきの言葉が何度も何度も頭の中を行ったり来たりしている。
まるで時間が止まってるみたい。
というか、状況が理解できなさすぎて時間を進めることができない。
「ねぇ!!」
「ビクッ!!」
「聞いてる!?!?
だーかーら、お茶行こうって!!」
「…はぁ?」
「だからお茶ぁ!!!」
お、お茶……
「行こう?ねぇ行こうよー君!」
―――待て待て、状況を整理させてくれ。
1. 私は自殺しようとここにきた。
2. 自殺の準備が整いさっそくカウントダウン。
3. なぞの男がお茶に誘ってきた。
うん。
2と3の間がどう考えたっておかしい!!
なんでこうなるの?
なんで自殺しようとしたらこいつはお茶に誘ってきたわけ!?
まったくもって理解不能なんだけど!!
「……ねぇさっきから忙しそうだけど、
大丈夫っ?」
「えっ?あ、はい…大丈夫です。
(てめぇに言われたくねえわ!)」
「あ、ほんと?そんじゃお茶行こっかぁ!」
「え…?」
「はいはいその棒とか縄とかとってー」
「えぇ!?」
今でも何が起こってるのか分からない。
ただはっきりしていることが一つ。
私は自殺できなかった。
いきなり現れた謎の男によってーーー