今日こそ絶対に自殺します。
「―――バタン!!」
突然目の前の501号室が開くと、そこから涙でぐしょぐしょになった豆腐ちゃんが出てきた。
「…うぅぅ……グスッ…ヒック…」
す、すごい泣きよう。
さすがに10歳の女の子を無視して自殺しに行くのは人間の大人としてまずいと思って、私は豆腐ちゃんに優しく声をかけた。
「ど、どうしたの…豆腐ちゃん…?」
たとえ腐女子だったとしても、彼女は紛れもない10歳の可愛い少女!うん!
「…な、ないのですぅ…ヒック…」
「…ん?ない?ないってなにが…?」
「ヒック…ヒック…私の…宝物の……」
「うんうん」
「『今宵の相手は俺様』第1巻ですぅぅ!!」
「………」
え………えぐい!!!
「そ、そうなんだ……」
豆腐ちゃんはさらに涙を浮かべた。
「あれは…あれは…ほんっとに大事なものなんです!
あれがないと…私生きていけませんっ!!!」
そこまで大事かBL漫画!!
「どうしましょう……うわぁぁぁぁん!!!」
あーあーあーあー
どうしよう、また泣きはじめちゃった……
どうにかしてあげたいけど、こっちは自殺しなくちゃいけないんだよ…
今日しか無理っていうか、
今日がいいっていうか……
あぁーもう、なんかごめんよっ!
こんな自殺のことばっかり
考えてるおねえさんで!!!