今日こそ絶対に自殺します。




なんだあれ?


私は目を凝らしてその本を見つめた。


本の表紙には

『今宵の相手は俺様①』


ーーーえ?


まさかまさか、


そんなところ(パピヨンの下)に!!!



まじかよ!!


え、間違いないですよね?

絶対そうですよね?


台から降りて、その本の近くに寄っていくと

表紙にはやっぱり

『今宵の相手は俺様①』



―――まじだぁ!


私はその漫画をそっと拾い上げた。


かなりのボロボロ状態。


表紙の色あせはもちろん、中だって水につけた後みたいにクシャクシャになっている。



いやー、なかなかの劣化具合ですな。



私は軽い気持ちでパラパラと漫画のページを送った。



「…あれ?」


するとあるページに付箋が貼ってあることに気づいた。







付箋が貼ってあったのはよくよく読んでみるとどうやら告白シーン。



おそらく男性好きの少年が涙ながらに先輩(♂)に告白している。



『俺…グスッ…先輩が好きです!!

はじめて愛が何なのかを教えてくれた先輩がものすごく好きです!

愛、それは…グスッ…それは…!

自分をこんなにも泣かせて、こんなにも心を温かくさせるもの―――

先輩…あなたです……』




ふむふむ、なるほど。


少年は先輩と出会ってきっとはじめて愛を知ったのだろう。


そしてその愛が先輩自身だったことに気づいたのだろう。





ーーーうん、






ふつーにいい話じゃねえか!!



というか昼間に読まされたやつより断然こっち派だわ私!!






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