今日こそ絶対に自殺します。
「ーーーそこの場面いいよなー」
ビクッ!
ふと声がしたかと思うと、さっきまでいびきをかいていたパピヨンが目を覚まして起き上がっていることに気づいた。
「俺もさっき読んだんだーそれ。
豆腐の部屋からパクっちゃったー」
「あ、そ…うなんですか…」
ーーーて、
犯人おめぇか!!!!
10歳の少女大泣きしてたわ!!
どうしてくれるぅぅぅ!?
「…それ、豆腐の宝物らしくってねー。
気になったから読んでみたんだよ。
なんでそれが宝物なのかなーって思ってたけど読んでやっと理解したわー」
「……え?」
パピヨンは向こうを向いている。
なんかいつもより静かでものすごく違和感。
「豆腐はあんな感じでニコニコしてていい子だけどさ、実際育った環境はすごく最悪だったんだ」
「……え」
豆腐ちゃんの育った環境が、最悪だった…?
「両親は小さい頃に事故死。
おばさんからの毎日の暴力。
友だちが一人もできない学校生活。
豆腐はねーーー
『愛』のない環境で育ったんだよ」