今日こそ絶対に自殺します。





「お兄ちゃんお腹すいたー」

「はいはい、ちょっと待って」

「お兄ちゃん、おしっこ漏らしちゃった」

「えー!」

「お兄ちゃん!瑠璃ちゃんが怪我した!」

「え!あ、ちょっと、うーん!!!」





僕は次男や長女とはかなり年の差があった。


次男は7歳離れの9歳。


長女は10歳離れの6歳だ。



だからもちろん、家族の面倒は全部僕が見るしかない。








「ーーーほんとにいいの?」


「はい、こうするしかないんです」



僕は高校進学を諦めて、働く道を選んだ。



これでも僕は結構成績が良い方で、先生には期待されていた方だったけどーーー




「学費を払える余裕がないんですーーー」



母さんが引きこもりになって稼ぎが全くない今、僕が稼ぐしかなくなってしまったのだ。





高校進学を諦めて、今僕が働いているバイト先は3つ。



早朝の新聞配達、昼間のご近所スーパー、深夜のコンビニだ。




なるべく4男、5男、3女が起きていない時間を狙って毎日働いているけど、


やっぱりお金には余裕が全然ないし、赤ん坊たちは泣き喚いてどうしようもない。





「ーーー母さん」



部屋の扉を開けると、テレビを見ている母さんがいた。



「お願いだから…昼間の間と深夜の間だけ下の3人見ててくれない…?
お腹すいた時とか泣いてる時だけでいいから!!あとは陽太(二男)と真子(長女)になるべくしつけ方教えてどうにかするから…!」


ーーーお願い、母さん。



「は、なんで?」




やだから、めんどい。




いくら頼んでも、母さんは何もしてくれなかった。




< 90 / 326 >

この作品をシェア

pagetop