今日こそ絶対に自殺します。






ーーーそんなある日のこと。




僕はいつも通り深夜のコンビニのバイトが終わると、真っ先に家に帰っていった。




ーーー帰っていった…はずだった。





「………あれ?」



何がどうなったのか僕にも分からなかった。


だけど僕は無意識のうちにーーー



「……どこ、ここは」



見たことも来たこともない、遠くの場所に来ていたのだ。





はっとなって時計を確認すると、もうすでにお昼の12時を回っていた。



「…まずい!!」


近くの人に道を聞きながら、僕は猛ダッシュで自分の家に帰った。





ーーーガラガラ!


玄関を開けて急いで家に上がると、部屋の奥からは大勢の泣き声が聞こえてきた。



その声の正体は、言うまでもなく僕以外の兄妹全員の泣き声だったーーー




「お兄ちゃーん!」

「お腹すいたよぉぉぉ!!」

「うあぁぁああぁぁあ!!!」



部屋を覗いた瞬間、僕は崩れ落ちた。


そして自分を責めた。



ーーー何やってんだよ僕は…!!!





涙が止まらなかった。


泣いちゃいけないはずなのに、家族を支えなくちゃいけないのにーーー



「ううっ…ううう……!!!」




僕は唇を噛み締めて泣いたんだ。





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