今日こそ絶対に自殺します。





とうとうお金が足りなくなって、僕は周囲から借金するようになった。



弟や妹たちの食費や学費、養育費。


それぐらいはちゃんと払ってやりたかったんだ。





ーーー僕はどうなってもいい。


だけど、家族は絶対に守ってみせる…!!




もう必死だった。



家族に食わせるためにーーー


家族を守るためにーーー







「お兄ちゃんいらないの?」


「あ、うん、いらないよ。
お腹すいてないから……」



僕の体と心はどんどん壊れていった。



高熱、激しい嘔吐、そして急に襲いかかる謎の症状。



僕は必死で自分自身と戦った。



なるべく症状がでないように、なるべく家族を支えていける自分でいられるようにーーー



僕は必死に戦ったんだ。





「陽太(二男)」

「なに、にーちゃん」

「僕がぼーっとし始めちゃったら、なるべく声かけてほしいんだ。気がつくまで」

「…うん、分かった」



周りの兄妹にも協力してもらった。



だけどーーー




「にいちゃん!ねぇにいちゃんてば!!」


「………」




たちまち症状が僕を襲うと、僕は体が全く動かなくなってしまうのだった。






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