【完】サックスパートの日常
本番直前ー和樹くん編
今は朝練中。
あれからまだ和樹くんと話せないでいる私。
友達には早く仲直りしろ。そう言われるけどそんなうまくはいかないものです。
「……先輩、」
どうすれば和樹くんと仲直りというか話せるだろうか。
「結菜先輩。」
謝る?でもこの間一応謝ったし……難しいな……
「結菜先輩ってば!」
急に耳元で叫ばれびくりとする。
「へ…って、か、和樹くん!?」
呆れたように私を見下ろす和樹くんがそこにはいた。
「名前呼ばれたら一回で返事してください。それとも何か考え事ですか?」
「え、あ……ごめん。気づかなかった。」
キミのことを考えてました。だなんて言えるはずがない。
「先輩、最近おかしいですよ。俺のこと避けるし。」
ば、バレてる…!そりゃそうか……。
「あー…ごめん。なんか気まずくて。」
ははっ、と笑うと和樹くんは不思議そうな顔をする。
「気まずいってなんかあったんですか?」
そうだ、忘れてた。コイツ鈍感だったんだ。
何もないよ。
苦笑気味にそう答える。
「先輩、もう朝練終了時刻です。頑張りましょう。」
和樹くんに言われ、こくりと頷く。
「うん、頑張ろうね!」