【完】サックスパートの日常
本番直前ー舞ちゃん編
朝練を終え、音楽室から本番のステージの体育館へ移動中のこと。
「結菜先輩っ!」
「あー、舞ちゃんおはよ。」
舞ちゃんがきました。
「今日が本番だなんて信じられません!」
「そうだねー!今日が本番なんて信じたくないよー…」
ハァ、とため息をつくと舞ちゃんはニコニコしながら、
「あの、最近私よくイジられるんですー」
「へぇそうなんだ。でも確かによくみるね。」
ニコニコしながら言うことじゃないよなー。そう思いながら答える。
「えへへ。嬉しいです。みんなにイジられて私は幸せな気分です。」
「そうなんだ…って、え⁉︎舞ちゃんってエムなの…」
「えへへ、てことで結菜先輩、結婚しましょ。外国行けば女同士でもいけます。」
親指を立ててくる舞ちゃん。
「グッ、じゃないんだよ…。なにが、ということで、なの……」
もうこの子難しい。
理解不能だよ……。
「結菜先輩、今日はソロ頑張ってくださいねー!私も裏で支えますから!」
「急に話変わりすぎでしょ……。ま、頑張るけどさ。ありがとね。」
私がそう言うと舞ちゃんは、あーっ!と叫んだ。
「今度はなに?どうしたの?」
「私としたことが!楽譜を音楽室に忘れてしまいました!取りに行ってきます!」
本当にこの子は落ち着きのない子だな…
クスリと笑って私は舞ちゃんと別れたのだった。