【完】サックスパートの日常
「やっ、やるよ〜。でもとりあえず今日はホルン…」
私がそう言うと和樹くんが立ち上がりました。
「それ、一週間前からずっと言ってますよね。ホルンが癒しなのはわかります。だってクラリネットとかトランペット、態度悪いですし。」
それに同意するようにナミちゃんが頷く。
「ホルン以外と合わせようと思うと、必ずクラリネットかトランペットは同じだもんね。」
「先輩、コンクールまでの辛抱ですよ。だから他のパートとも合わせましょう?私たちは先輩の味方ですから。」
ななちゃんがそう言うと、ホルンがサックスを呼びに来ました。
「サックス、そろそろ合わせよ?って…なに、この空気。珍しいね?修羅場?」
「う……」
ホルンの子に抱きつく私。
「え、結菜⁉︎ちょ、どうしたの?」
「わっ、結菜先輩、ごめんなさい…少し言い過ぎたかもです…」
ナミちゃんが申し訳なさそうに言う。
「大丈夫ですよ、結菜先輩。私たち怒ってませんし。」
ナミちゃんとななちゃんが必死にフォローしてくれる。
私は本当、何をしていたんだろう…
「…先輩、早く練習しましょう。ホルンとやるんですよね?だったら今日で完璧になるほどたくさん練習しましょう。そしてそれから他のパートと合わせればいい。そうでしょ?」
和樹くんの言葉にうるっとくる私たち。
「和樹くんのくせにいいこと言う!」
「本当…和樹くんのくせに少し生意気だけどね…」
ナミちゃんとななちゃんがふっと笑う。
「和樹くんのくせに…本当、ありがとう。」
私も笑顔でそういった。
後日談
舞「えー⁉︎和樹くんたち結菜先輩を泣かせそうになったんですか⁉︎最低っ!たとえ結菜先輩がどんな悪いことしても見守るのが私たちの役目じゃん!ってか見たかったぁ!なんか勝手に娘がチャラい彼氏と結婚してる気分だよぉ〜!!」
他の人たち(しらねぇよ…)
たまに、舞ちゃんの愛が重すぎる事が気になる今日この頃です。