【完】サックスパートの日常
音楽の先生兼、顧問の先生。
「竹田くん、最近声変わりしてきたよね。」
「あ、はい。高い声が出なくなっていて…」
和樹くんと先生のそのやりとりを聞くと驚いてしまう私たち。
だって、あの和樹くんがだよ?
まえ、挨拶の時声がひっくり返っていた和樹くんがだよ?
「え、ウソ……」
「和樹くんが声変わり…」
「……」
口々に言いだす後輩たち。
「竹田くんがこの時期に声変わりしたから竹田くんのクラスに合唱コンクール勝った。」
と先生がいう。
和樹くんは歌がすっごくうまくて、声変わりするまえはすっごく高い音まで出ていてすごかった。
「ねぇ、和樹くん、なんか喋ってよ。本当声変わりしたの?」
疑うナミちゃんに先生が苦笑した。
「じゃあ、竹田くん、校歌歌ってみたら?」
そして歌い出す和樹くん。
やはり、高くない音のときはすごく上手いのだが、高くなると声が掠れた。
「えー!歌の歌えない和樹くんなんて和樹くんじゃない!」
と、ナミちゃんがいい始めました。
「それは、言い過ぎだよ。」
と私が言ってもナミちゃんはブーブー言ってましたとさ。