【完】サックスパートの日常
和樹くんの場合。
「……」
疲れ切った顔で音楽室の床に座り込んでると、
「大丈夫ですか?」
和樹くんが声をかけてくれました。
「あ…うん、大丈夫だよ…。」
ドヨーンとしたオーラを漂わせながらそういう。
「とりあえず立ち上がりましょうね。捕まって。」
「ん…ありがと。」
和樹くんの手を掴んで立ち上がりました。
「美術、終わりました?」
「あー…うん、一応。あの、さ…」
テンション低い私はとりあえず今日の部活のことを聞こうと口を開く。
「あ、俺塾なんで。先輩に構ってる暇ないです。」
私のことをスルーしてスタスタと歩き出す和樹くん。
「はい、ちょっと待とうか?先に話しかけてきたのはそっちだし、私の話も聞けよ、おい待て、コラ。」
私の言葉に耳を傾けようともしない和樹くん。
本当に彼は気分屋です。