初夏…君を想う季節
「あ、いえ中国語はただの趣味みたいなものですから。
はい、伺います。まだ夕方なので大分早いですけど
おやすみなさい。
やりだすと時間を忘れてしまうこともお見通しですか?
今日はキリのいいところで終わりにします。」

「趣味って…本当君には負けたよ。
あぁ。そうだね、随分と早いけど
多分美桜のことだから
おやすみも忘れて没頭しそうだし
今言うのが得策だろうと思ってね。
美桜の勉強に対する熱量はすごいから。
是非そうしてくれ。じゃないとこっちが寝不足になるから。」

「何でもわかってしまうんですね。
確かに私の性格上かなりの確率で起こりえますね。
…なんだかすみません。
あ、はい。後でメールも送っておきます。」

「どれだけ見てきたと思ってるの。
ん?今のどこに謝るところがあったの?
あぁ、分かった。」

「それはそうなんですけど…
ただ、もっと可愛らしく
勉強も手につかない!なんて言えたら
どんなに良かっただろうと思っただけです。」

「ははは、美桜それは考えすぎだよ。
今のままで十分だ。何も変わろうとしなくていい。
そのままの君を愛していくよ。」

「………あ、ありがとう。」

「それじゃぁ、本当にそろそろ切るよ。」

「はい、失礼します。」
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