初夏…君を想う季節
―――――――――。

これまでずっと人とは関わりたくないと思って生きてきた。

いじめとかそういうのは幸いにもなかったけど、
極力人とは交わらずに生きようとしてきた。


理由は簡単だった。

“皆川(旧姓)さんって何話してるか分かんない時あるよねー。”

“皆川、お前ほんっと可愛げのねー女だよな。
そんなんじゃモテねーぞ。”

“皆川は授業なんて聞かなくたってわかるだろ。
俺より出来るみたいだし。…んと、お前みたいな生徒もつと大変だよ。”

同級生や時には教師にまで
そうやって冷やかされてきたから。
それが嫌で嫌でたまらなかった。
だから口を閉ざした。

いっそ硝子か何かにでもなれたらいいのにと思ったことだって沢山あった。

人との付き合いなんて上辺だけで十分だった。
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