初夏…君を想う季節
校内では、歴史談議に花が咲き、
それを誰も異質とも思わず、
時にはその席に教授も交えて話をする。

それが日常の風景だった。

もっと早くこんな人たちと出会っていれば
私の人生観も性格も少しはマシだったかもしれない。

何人か挨拶を交わしたり、
少し話をしたりする人はできたものの
それまで人とほとんど関わらず
生きてきた私にとって
人との距離感など分かるはずもなかった。

あまり人と目も合わせずに
2回までを過ごしていたので
この大学の中でさえ浮いた人間だったと思う。

それがある日、全く知らない(いや、知らなかった)
人によって180度変わった。

人と交わる喜びを知り、楽しみを知った。
それまで私が関わった人間とはまるで違う人だった。

風のように優しく、太陽のように温かい
そんな人だった。
< 32 / 32 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop