初夏…君を想う季節
「それでは授業を終わります。」

一時間半の授業が終わってぞろぞろと生徒が教室を後にする。

「桂さん、ちょっといい?今、時間はありますか?」

何かの談議にふける時、決まって先生はそう言う。

「はい、もうゼミと卒論程度しかやることはないのでいくらでも。」

「それは良かった。ゼミ室に一緒にこれを持ってきてくれないかな?」

「分かりました。」

先生のゼミ室はここの6階。
いつもそこでいろんな話に花を咲かせている。

頼まれたプリントの束を持って6階へあがる。
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