初夏…君を想う季節
「そんなに見つめられると恥ずかしいんだが。
服が変だとか思われてないことを祈るよ。」

「え、あ、すみません。」

頭でボーっとそんなことを考えている間
私は先生をずっと見てしまっていたらしい。

「私服も素敵です。」

「そうか、それは良かった。似合ってないなんて言われたら
当分立ち直れそうにもないからな。」

「え、あの!車で行くんですか!?」

「え、あぁそうだけど…。嫌なら歩いていけるところに変更するよ。
すまない。君の意向も聞かずに。」

「え、いや、いいんですけど…。」
(どうしよう…いよいよ本格的にデートみたいになってきてしまった…)

「いいの?大丈夫か?じゃぁ…まぁ、とりあえず乗って。」

「あ、すみません。失礼します。」

「すまない、つい嬉しくなってはしゃぎすぎてしまったようだ。
次からは遠慮せずに嫌なら嫌と言ってくれ。」

「あ、いえ違うんです。そうではなくて…ただ、その…デ、デートみたいだな
なんて思ってしまって緊張してきてしまったんです。」

「あぁ、そういうことだったのか。一人で突っ走ってしまったと思ったよ。
僕に付き合わせて申し訳ないが、僕とデートしてもらえないだろうか?」

「………は、はぃ!?今、なんて?」

「いや、もしよければ僕とデートを…「わ、わかりました。もう大丈夫です。ついて行きますから。」

そういうとクスクスと先生に笑われてしまった。

(冗談でも心臓に悪い…。全く、人の反応見て楽しんでるなんて先生らしくない。)
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