不倫と浮気の三角関係


枕元の時計は9:45を示している


「私、もう行かなきゃ…」


明日から修学旅行で今日はその事前指導が10:30からあるのだ


少しでも長く一緒にいれるようにと制服を持ってきており

今日はホテルからそのまま学校に行こうとしていた


それでもそろそろ出なければ間に合わない


焦る気持ちとは裏腹に私の体はゆうさんの腕からなかなか離れてくれない


するとゆうさんはおもむろに備え付けのメモ用紙とペンを取り出した


「俺、似顔絵上手いってみんなに言われるでなー」


コミック調に描かれた笑顔のゆうさんは目が米粒くらいにちっちゃくてそっくりだった


「なぁ、また会ってくれる?

俺またここ来た時ナンパしたとこ行くでさ、

あのラーメン屋の前で待っててな」


…それってもう会う気ないじゃん。


つい3日前に会ったばかりの人の言葉に、

ゆうさんとこれでお別れだということに泣きそうになっている私。


軽いノリの出会いだったのに本気になっちゃってる自分を

認めたくなくていそいそと靴下を履き出した


「なーもう絶対俺と会う気ないやん(笑)」


「なんで?!あるよ!!!

会う気ないのはゆうさんじゃん

連絡先も教えてくれないし…」


「………」


あ、本当に教えてくれる気ないんだ。。



コートを羽織って、靴も履いて、最後にさよならのキスをしようと

ベッドに横になっているゆうさんに近付いた時それは渡された。


ちっちゃな目でにっこり笑った可愛いゆうさんの下に11桁の数字の羅列


「俺の電話番号。

ちゃんと登録しとってな

洗濯とかしやんでな?

お前しそうやわ~(笑)」


「さすがにしないよ!(笑)」


最後のキスは行って来ますのキスにした

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