Happiness
晴『結愛ちゃん、俺のことが分かるか?』
コクン……
結愛ちゃんは小さくうなずいた。
晴『どこか痛いのか…?』
郁『結愛ちゃん、どうしたの?』
2人で口々に聞いていると
ようやく結愛ちゃんは口を動かした。
【た…す…けて…】
たしかに彼女の口はそう動いた。
しかし…声が出ていなかった。
晴『なに?もう一回言って?』
俺は恐る恐る聞いた。
そんなまさか……
彼女はもう一度、苦しそうにしながらも一生懸命に口を動かした。
けれど、その口から彼女の声が発せられることはなかった。