いつだって僕らは
「まあ、柚維がいなくならないって言ってくれて、安心したけどな」

ぐしゃぐしゃになったあたしの前髪を、優しく整えながら藤谷は言った。藤谷の大きな手が、すぐ目の前にある。

「馬鹿」

あたしは藤谷の髪もぐしゃぐしゃにしようとする。
背の高い藤谷の頭には、少し手が届く程度だった。

「チビな柚維に届くわけないだろ」

「うるさい」



こんな風にくだらない事を繰り返す日々が楽しいと感じる。
ずっと、藤谷とは仲良くいられると思う。
親友で、ずっといられる気がする。
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