Rainbow~七色の虹に願いを込めて~
無言で渡してくる奏楽から電話を受け取り、それを耳に当てる。
「神楽坂、ごめんね。」
「どういうことなんですか。
俺、何も身に覚えのないことばかりテレビで言われてるんですけど…」
「今回、あなたたちはまだデビューしたてでしょ?
その中にスキャンダルがあるってのはどうしても不利なの。
だからその不利な部分はどうしても処理したかったの。
だけど、あそこまで大大的に報道されたのに熱愛は何一つありませんでしたなんて疑いの目しか向けられないでしょ。
しかも一般人だなんて…。
これを野放しにしていたら相手の子にも被害が及ぶかもしれない。
ちゃんと考えた結果なのよ。
Marieなら清純派で男女老若男女に愛されているし。
相手としてはもってこいだったの。」
もってこいって…。
それは熱愛をもみ消すために、嘘の報道を流したってことだよな。
いくらなんでもそんなの。
「おかしいです。
そこまでしてまで、おれは…それにMarieだって申し訳ないです。」