Rainbow~七色の虹に願いを込めて~





「佐藤君あなたの気持ちはわかるけど、何よりも大切なのは体なんだからね。
無理をしすぎちゃだめよ。
ちゃんとケアもすること。
いいわね?」


「わかってますって。」


俺はお母さんと別れて奏楽がレッスンしてる場所へ向かった。
奏楽は一室で難しそうなステップや動きを何度も繰り返してた。
同じ動きだけどキレの違い・タイミングなどを変えて何度も納得いくまでやっていた。


「あの子は確かにすごいの。
うちの事務所ができて以来初めての天才だと思ってた。
だけど違ったの。
天才なんかじゃない。
あの子が持っているのはすべてあの子が身に着けたものだった。
あんな風に自分を追い込んで、今のあのこがいるの。
頑張って壁にぶつかってものりこえて、無理ってものを知らないからこそ、少し怖いのよね。」


「怖い?
それって…」


「無理をしすぎること。
無理のしすぎは良くないのよ。
・・・ごめんなさい、急にこんなこと話して。
大丈夫。
神楽坂くん、ゆっくりと見学していってね。」


「はい。」







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