瞬間と君

空と主人 三章

空 [回想]

それから彼は仕事の出張場所に僕をよく連れていってくださった


その時はRo-huは爆発的売り上げをみせて海外にも輸出している程だった


御主人はRo-huの演説をする時いつも
自信に満ち溢れていた


僕もそれが嬉しかった
いつの間にか僕は様々な感情を知った

ただ「悲しみ」を除いて

けれど僕の事を気に入らないと思っている人達がいることも知っていた

そしてこの景気はずっと続かなかった

Ro-huの問題点が出たのだ

初歩的なミスだった

ロボットの願いを叶えるという所に着目して自殺を手助けしてもらう者や自分の手を使わずに人を殺そうとする者がたくさん出たのだ


会社の景気は勢いよく下がりそれだけはおろか
家にいればクレームが鳴りやまず
外に出ればマスコミ関係者に追いかけられる毎日になった


御主人は僕が気づかない間に追い詰められていった







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