瞬間と君

出会いというのは

美海side★


ベシャ


桜散る麗らかな春の日、また私は見てしまった。
人が目の前で転ける瞬間なんてもう見飽きた


いつものようにかるーく通りすぎようとしたんだけど…………えっ、この人全然起き上がんないんだけど


流石に無視するわけにもいかず駆け寄って声を掛けることにした

『あの、大丈夫ですか?』

その男性がうっすらと目をあけた

「大丈夫です。これくらいでバグはおこしません」

『えっバグ?「いえ、なんでもありません。それより、」


いきなりムクっと起き上がり
軽く服のホコリを払ったあと私にこう言った


「僕をかってくれませんか?」







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