瞬間と君

敬語

美海side★


彼は驚いたようで

「もしかして嫌だったりしましたか?」

と急いで起き上がり尋ねてきた

『いや、そうじゃなくて敬語で話されるの慣れないから、あと御主人様って呼ぶのも』

「そうなんですか、分かりました」

彼は一度コホンッと咳をする、そして

「美海、これでいいかな?」

少し恥ずかしそうに頬を掻いて笑う

『・・・・・』

なんだろう、胸の辺りがチクチクしてきた

その部分が段々暖かくなり頬にまで熱をもつ

『うん、そっちの方がいい』

なんだか、彼にまた少しだけ近づけた気がして嬉しかった



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