瞬間と君

いつまでも

美海side★


今、私は動かなくなった空に抱きつきずっと泣いている


こんなに表情を崩して涙を流すなんて何年ぶりだろうか


私は涙を手でぬぐい、私が好きな彼の笑顔を真似て


『大丈夫だよ、、空。
私はあなたとの思い出を忘れない』


無理して微笑む


いつまでも泣いていたら空が心配しちゃうから


そして私は自分の左胸を開き自分のメモリーの隣に空のメモリーを入れる


空に言いたかった約束も叶わずじまいになってしまった


私が無表情になってしまった事件の事も


私が実はロボットだった事も


雨に濡れた時、機械でできた私の体が動きにくくなった時も彼は心配してくれた


あの時に全部話していれば良かったな


『空』

ポツリと呟く
思えばあなたに出会った季節は春
お別れも春


多分私は毎年この季節になると思い出すのだろう


彼と過ごしたあの日々を





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