サンドリヨンに憧れて
「香澄・・・ご飯・・食べに行こう」

「え・・何処に?」

「喫茶店」

「・・じゃ準備しますね」

まだだるい体を起こしてクローゼットに行き、そこにあった鏡を見て

顔が青ざめた・・・。

「嘘・・この跡・・」

くっきりと鎖骨に跡が残っていた。

まだ真夏だというのに・・・これじゃ胸元の開いた服が着れない。

手に持っている服でも見えてしまう・・・

「コンシーラーでごまかすか・・・」

「蚊に刺されたっていえばええやろ」後ろから少し笑った声で言ってきた。

「蚊?って・・・」

「じゃ・・もっとつけたろか?」

「結構です・・」

「この蚊はしつこいぞ・・・香澄しかささへんからな・・」

「もう孝男さん!」

「冗談や・・出来たら行くぞ」

「あ・・はい」

最後の休日が始まった。

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