サンドリヨンに憧れて
「でも・・優大って・・彼女おったやん」

「あれ・・彼女ちゃうねんて・・」

「え?」

「藍子、庄司はこの事しってんの?」

「・・・知ってたと思う・・けど私には言ってこんかったな・・」

「でも優大も課長じゃ・・勝てんな」

「うん・・無理や・・香澄、相手にしなや」

「わかってる・・だって興味ないし」

「そやな・・今日の香澄見てたらわかるわ・・」

「え?」

「その髪型・・・課長の好み?それとも・・何かある?」

「有紀・・それは・・ちょっと・・」

ニヤッと笑った後、有紀は私の髪をそっとかき上げた。

「うわぁ・・課長・・やるな・・」

「え?何?」

「藍子・・香澄の首筋・・見てみ」

「え?見えへんけど・・」

「ちゃうわ・・ここ・・」

私のうなじあたりを触れて藍子に知らせた。

「あ・・・」

髪を上げてしまうとくっきりと見える跡がそこに残っていた。

「香澄・・・めっちゃ愛されてるみたいやね・・」

「でも暫くは・・内緒やねん」

「あ・・あいつらのことで?」

「うん・・・」
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