サンドリヨンに憧れて
駅前で藍子達と会ったので3人で歩いていると、

庄司が立川と前を歩いていた。

「声かけるのやめとくわ・・」

「ええよ。気にせんとって・・」

すると彼がいきなり前の二人に声を掛けた。

「おはよう・・」

「あ・・課長・・おはようございます・・」

「おはようございます・・課長・・」

すると3人が急に足を速めて歩きだした。

「私らに気使ったのかも」

「そうやろね・・」

後ろからゆっくりと歩いていき会社も玄関に着いた時には

彼達はもういなかった。

「さて・・・香澄・・おらんから聞くけど・・立川のこと聞いた?」

「教えてくれへん・・でも・・ちょっと彼の知らんかった一部を見た」

「え?」

「彼らに嫉妬・・してた」

「嘘・・それってレアやな」

「うん・・でも余計に好きになったかも・・」

「あら・・ごちそうさん」

「そっちだってそうやんか・・・」

「うちらは長いし・・でもな・・」

「でも?」

「結婚は・・・遠いかな」

その藍子の顔が少し寂しそうに見えた。
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