サンドリヨンに憧れて
資料を持ったまま黙って部屋を出ていき、席に座ると藍子と庄司が飛んできた。

「香澄・・顔色悪いで・・どうしたん・・」

「どうしよう・・課長・・勘違いしてるかも・・」

「庄司・・資料室お願い」

「わかった」

私は藍子と一緒に休憩室へ行った。

「話・・できる?」

缶コーヒーを渡されそれを握り、俯きながらさっきの出来事を話した。

「え・・・そうなん?じゃ・・あいつまさか・・」

「大丈夫やと思う・・」

「でもあんたを・・」

「それは過ち・・であってほしい・・」

暫くして庄司が休憩室へやってきた。

「どうやった?」

「横山・・このまま帰れって」

「え?」

「課長と立川は・・今会議室へ行った。」

「私も行ってくる。ちゃんと話したこと言わんと・・誤解されても困るから」

「俺も一緒に行く・・藍子・・後頼む」

「うん・・じゃ・・」

私は会議室に向かいドアを開けると気まずい空気が流れていた。

「帰れって言わんかったか?」

「課長・・お話させてください」

「話は立川から聞いた」

「それじゃ何故ここに呼んだんですか?」

「俺との約束や・・・こいつは破った」
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