サンドリヨンに憧れて
「心配せんでも、私は孝男さんだけって言ってるのに・・」

「ほんならその言葉信じて・・」

「え?」

「今日は定時で上がれ。ちょっと行くとこあるから」

「あ・・でも、あの物件の資料が・・」

「庄司に預けたらええ」

「は!あかんやんそんなことしたら」

「大丈夫や・・・庄司には貸しがあるから」

「貸し?」

「まぁそのうちわかるわ」

笑顔で会議室を後にした。

何やろう・・考えながら歩いていると、休憩室で藍子が椅子に座ってぼーっとしていた。

「あ・い・こ・」

「ぅわぁ!びっくりした!」

「どうしたん?」

「あ・・うん・・・」

「何?悩み事なん?」

「ちょっと・・・」

「もしかして・・庄司のこと?」

「当たり・・・」

「どうしたん?」

「今夜話があるって言われてん・・」

「え?いつものことやんか?」

「違う・・何か嫌な予感がするねん」

「え?」

「この間のことかも・・」

前に見た藍子の表情と同じ・・もしかして・・
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