サンドリヨンに憧れて
「香澄・・先戻るわ・・ゆっくりして・・」

疲れ気味の表情のまま先に戻ってしまった。

飲み物を買おうと自販機の前に立ったとき、

横からすっと手が伸びてお金が入れられた。

「え?あ・・ごめん邪魔やった?」

「俺の奢りや。好きなん買えや」

「え?庄司が・・怖・・」

「あほか・・俺も奢る時あるやろ」

お互いコーヒーを買ってベンチに座った。

「横山・・俺な・・」

「ん?どうしたん?あんたらしくない顔して」

「俺な・・」

「何なん?おかしいで今のあんた・・」

「俺・・この間・・藍子・・とちょっとあってな・・」

「・・・何時頃?」

「あいつ・・最近・・結婚のこと言ってなかったか?」

「あ・・そういえば・・・暫くは無いかも・・って」

「それな・・俺のせいやねん」

「なんでそんなことになったん?」

「・・・なんやろな・・付き合いが長すぎて・・あいつのこと・・
ちゃんと考えてなかったっていうか・・・」

「で・・あんたの本心は?」

「そりゃ結婚したい。今すぐにでも・・」

「でも?何であかんの?」

「俺も課長みたいにはっきりすればあいつも悩むことなかったんやろうな・・」

「そうや、ちょっと聞くけど・・課長の貸しって何なん?」

「藍子のことの相談最近ずっと乗ってもらってたんや」

「で、結果は?」

「・・今夜・・決める」
< 159 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop