サンドリヨンに憧れて
もう夢じゃないんだ・・・本当に王子様をゲットしてしまった。

それも彼からの突然の告白で・・・そのことででも緊張しすぎて

いつもなら酔わないはずなのに、体がいつもより熱く感じていた。

「香澄・・いつもより飲む量が少なくないか?」

「今日はあまり・・飲めません・・」

「ん?体調悪いか?」

「緊張・・して・・」

急に課長が笑いだした。

「香澄でも・・緊張するんや俺と飲んだら」

「そりゃ二人っきりで飲んだら、誰だってそうなりますよ」

「まぁ俺もやっと二人でゆっくり話せるようになったと思ってるけどな・・・」

「え?仕事でもしているはずですけど・・・」

「お前な・・別れた男が同じ部署におるねんぞ・・気つかうわ、俺だって・・」

「あ、そんなん気にしないでください。もう彼は結婚するんですから」

「けどな・・部下の元カノを俺が彼女にするってな・・」

「それじゃ・・彼が辞めるまでは、黙っていましょう・・」

「それがええ選択かもな・・」

これで暫くはお互いのことを会社では黙っていることが決まった。

「黒田さんは大丈夫か?」

「あ・・そこには言うかもしれません・・」

「ということは・・庄司にもバレるな・・」

「課長・・知ってたんですか?」

「香澄・・呼び方戻ってる。庄司とはな、時々飲みにいくねん・・まぁ相談が
多いけどな・・・」

「そうですか・・・じゃ藍子のことも色々知っているんですね」

「まぁな・・・」
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