サンドリヨンに憧れて
「さて・・・会議は3時やから・・・久しぶりにさぼろうか」

「は?香澄仕事大丈夫なん?」

「あ・・庄司に引き継いだ」

「え!」

「庄司もひと段落ついたからちょうどよかってん。あ、それと私は今日定時で帰るから」

「私も・・秀明が定時で帰るって・・・」

「どうしたん?」

「あんな・・・この間の話・・覚えてる?」

「結婚のこと?」

「うん・・・暫くないかもって言ったやろ」

「そうやね・・何かあるん?」

「私らって付き合いが長いけど・・お互いの家族の話って・・
詳しくしてなかってん・・・ほんでな・・香澄達のことを話してる時に・・
ついそんな話になってん・・その時な・・あいつ・・逃げてん・・話から」

「え・・どんな感じに?」

「俺には暫くない・・って」

「は?言うてることちゃうやん」

「ん?ちゃう?」

「あ・・こっちの話・・続けて」

「でな・・・この週末・・あんたらと別れた後・・いつものように一緒におってん
そしたら、あいつの携帯に親から電話があって・・・見合いがどうこうって・・
最後は・・一方的に切ってたけど・・・」

「は?あんたの存在知らんの?」

「そこで私が・・聞いてん・・どういうことって」

「ほんなら・・・自分の家族の話から始まって・・・またびっくりする話で
あいつの親・・・ある会社のえらいさんやってん・・今は勉強ということで
ここで働いているらしい・・・社長と親が仲がええねんて」

「跡取りじゃないんやけど・・のちにそっちの会社に戻るらしい。ほんで
お見合い話があるってことがわかって・・・」

「でも何で藍子の存在隠してたん?」

「親が私を調べると思ってたらしい」

「で・・今夜の話って言うのは?」

「・・・さぁ・・別れ話かも・・・私を可哀想な思いさせたくないって
言ってたしな・・・」

ん?藍子は勘違いしてる?ような気がした。
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