サンドリヨンに憧れて
これ以上はできない・・彼のへんなスイッチが入っても困る・・

ゆっくりと離れ顔を見つめると、私の頬を優しく指で触れた。

「ちょっとだけ休憩してから戻っておいで・・」

そう言って彼は先に戻っていった。

暫くそこでぼーっとしていると会議室のドアが開いた。

ここからでは姿が見えない・・気づかれないように息を凝らしていた。

「香澄になんて言おう・・」

「大丈夫や・・きっと課長から聞いてると思うし」

「秀明・・・」

「ん?」

段々と足音が近づいてくる・・・咄嗟に隠れようとした時、目の前の灰皿をけってしまった。

「誰かおる!」

「え!」

仕方なく・・・そっと出てみた。

「香澄!」

「なんや・・・お前か・・」

「・・・お疲れっていうのも・・へんかな?」

「香澄・・あんた」

小走りで私の元にやってきた

「泣いてたん?」

「え?」

「だって、化粧が・・崩れてる」

「え?おかしい?ほんなら直してから戻るわ!じゃ」

突っ込まれることが嫌で急いでそこを後にした。

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