サンドリヨンに憧れて
最後の一言は・・・さすがに泣き出しそうになった。

俯いていると私を急にぎゅっと抱きしめた。

拙いこんなことなったらあかん・・思い切って押すと、優大の顔は複雑そうな顔つきだった。

ここで会話をしたら給湯室に聞こえてしまう・・優大も私をじっと見つめたまま

動かなかった。

「さぁ・・みんなに3時のおやつ配りに行こう・・」

給湯室にいた後輩達は出ていき、私はその場にしゃがみこんだ。

「大丈夫か・・」

「うん・・ごめんな・・」

「俺のせいでもあるな・・悪かった・・」

「気にせんとって・・それより何でここにおるんよ?」

「庄司に会ってな・・黒田のこと聞いたんや」

「あ・・そう」

「今朝の出来事・・・あれは俺に対する攻撃か?」

「え?」

「お前らの結婚のことや」

「あ・・」

「課長もやってくれんな・・」

「あんたが週末にあんなことするからやん・・」

「確かに・・これで俺はもうお前に何も言われへんようになったな・・
同期・・のままやな・・」

「そうやね・・・」

「でももし何かあれば・・いつでも助けるからな・・同期として」

「ありがとう・・ほんなら戻るわ・・」

「頑張れよ・・」

化粧を直し戻ると、心配そうに私を見る課長と目があったが

悟られても困るのでさっさと席に戻った。


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