サンドリヨンに憧れて

「そろそろ帰るか？朝から出っ放しで疲れたやろ？」

「疲れはないですか・・・そろそろ帰りましょうか・・・」

鞄を持って立ちあがった時、足元がふらっとした。

「大丈夫か？」

「あ・・大丈夫です・・」

今日のお酒は酔うお酒だった・・・気をしっかり持って帰らないと・・

お店を出て少し離れて歩こうとしたら、腰を持たれて寄り添って歩いた。

「香澄・・タクシー乗るぞ」

「はい・・・」

乗った後、起こすからと言われたのでそのまま少し眠った・・・

それがとんでもないことにる原因になってしまった。

ふと目を覚ますと・・・車じゃなかった・・・あれ？家の天井じゃない・・・

ここは何処？・・・私の夢の中・・・？

そんなことを思いながらまだ眠たかったのでまた目を瞑ってしまった・・・。

どれぐらい寝たのだろう・・私の名前を呼ぶ声が聞こえる・・・

誰・・・でも聞いたことのある声なのに・・顔が見えない・・・

まだ夢の中かな・・そう思いながらぼんやりと見える姿が近づいてきたので

私から抱きついてみた。凄くいい香りがする・・・それでなんか暖かい・・・

あまりにも現実的すぎる・・・ゆっくりと目を開けると・・・

課長に抱きついて・・もう少しでキスするぐらいの距離に顔があった。

「おはよう・・・」

「え！どうして・・・」

あまりに驚きすぎて抱きあったまま私がフリーズ状態になっていた。

私の顔を見ながらやさしく微笑み・・そっと唇を重ねてきた・・・

目を閉じるどころか・・目がパッチリと開いて目が覚めた。

この現状・・・どないしょう・・・