サンドリヨンに憧れて
お風呂につかりながら彼に対する気持ちの整理をした。

あの時は言われっぱなしで悔しくて、その時偶然いた優大が私のことを

抱きしめたが、私はあの時・・・嫌悪感を感じた。

でもあの後の彼の顔は・・・哀しそうな顔つきだった。

あんな表情の優大は今までの長い付き合いの中でも見たことがなかった。

優大って・・・ほんまにマジやったんや・・・

そう考えると、私はいかに優大に失礼なことを散々やってきてしまったんだろう・・

重いため息しが出なかった。

でも今は孝男さんにちゃんと話さないとこれ以上こじれても困る。

私が心から愛してるのは・・彼だけ・・

決めた。勢いつけて立ち上がったと同時に突然お風呂のドアが勢いよく開いた。

「香澄!」

「へ?」

「静かやったから・・寝たんかと思った・・」

「あ・・大丈夫・・・今・出ます・・」

「あ・そうか・・」

そのままドアを閉めようとしたので私が彼の腕をつかんだ。

「待って」

「あ・・ああ」

そのまま上がり、そこに置いていたバスタオルを巻いて2階へ上がった。
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