サンドリヨンに憧れて
こんな生活がこれから毎日続くのかと思うと、一瞬不安になった。

今までの私達はこんなにも距離は近くなかった。

それに・・こんなにもお泊りも無かった。

こんな私でやっていけるんかな・・・?

左手にリングを見て今日は朝から冷やかされるのが確定したなと思いながら

起き上がり仕事へ行く準備を始めた。

出勤途中に藍子と庄司に声を掛けられた。

「課長、香澄~」

「藍子。ごめんメール見るの忘れてたわ・・」

「え?送ってないよ。ってか見る間も無かったってこと?」

「え?いや・・そんなこと・・」

「あったやろ・・・」

藍子に腕を引っ張られ私達は先に歩きだした。

「秀明、先行くわ」

「あまり苛めあいすんなよ」

「はいはい・・」

小走りで会社に向かい、ロッカールームに行くとさっさと用意をして

休憩室へ向かった。

「香澄・・さっきからめっちゃ突っ込みたかったんやけど・・指輪」

「あ・・これ・・もらった」

「よかった・・おめでとう」

「おめでとうって・・あんただって・・それ」

「あ・・そうそう・・昨日・・」

「ってことは?」

「・・・お互い・・・決まった?」

「みたいやね~」

「キャーおめでとう!」

抱き合って喜んでいる姿を通りすがりの人が見て引きながら驚いていた。

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