サンドリヨンに憧れて
「それじゃ・・行こか・・」

「はい・・」

車は走りだし、高速を乗って海沿いを走っていった・・・

「何処へ向かってるの?」

「神戸方面かな・・・」

神戸はおしゃれな街だった。車でもすぐに行けるし、電車でもすぐに行ける

私も一人でたまに買い物をする時があった。

高速を途中で降りて山道を昇って行った。

課長の運転は凄く上手くて、乗り心地がとてもよかった。

車も高級車だから余計にそう思った。

「孝男さんって運転上手ですね・・」

「車が好きやからな・・・一人でも運転してあてもないドライブになる時が
あるねん・・」

「今までどのへんまで行きました?そのあてのないドライブって・・」

「琵琶湖とか・・淡路島もいったな・・」

「え?一人で?」

「そうや・・」

「これからは誘ってくださいね・・」

「勿論・・でもドライブは減るかもな・・」

「え?何でですか?」

「香澄と一緒におったら家から出られへんようになるかも・・」

「それはダメでしょう・・・今度・・お弁当作って行きましょうか」

「楽しみに待ってるな・・」

展望台に着いて降りてみると、街中にいるよりかは少し涼しかった。

「この景色は夜見たほうが綺麗やねんけど・・昼もなかなかやろ?」

「凄く見晴らしがいいですね・・遠くの海まで見える・・・」

私を後からやさしく抱きしめてくれた。

「孝男さん?」

「香澄・・・」耳元で囁かれる声にゾクッとした。
< 20 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop