サンドリヨンに憧れて
「俺とおる時は気つかわんでええから・・素の香澄でおれよ」

「はい・・」

「香澄・・今日は帰さへん・・って言ったらどうする?」

「え・・・」驚いてしまってそれ以上の声がでなかった・・

「冗談や・・ビックリしたか?」

「ビックリしましたよ・・・だって急に言ってくるんですから・・・」

「ほら・・またその言葉使い・・」

私の顔を横に向けてそっと唇に触れて離れた。

「罰ゲームにしたろ・・今度また言ったら・・キスするぞ」

「え!あ・・気をつ・・けるから・・」

「あっ惜しいな・・」

「もう・・孝男さんは・・」

暫くしてまた車を走らせて、山の上のホテルのレストランについた。

「ここって・・・」

「ここでお昼食べようか・・」

何時予約したのかわからなかったが、お店の前に行くと、

加藤様ですね・・どうぞと案内された。

ワンピースを着てきてよかった・・と思うようなお店だった。

「ここは初めて?」

「はい・・初めてきました」

「よかった・・・じゃゆっくり食べよう・・」

お昼からフランス料理のコースって・・・凄く贅沢かも・・

「香澄はワイン飲むか?」

「いいです・・孝男さんが飲めないし・・」

「1杯だけ飲んだら?」

その言葉に甘えて白ワインを頼んでもらった。
< 21 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop