サンドリヨンに憧れて
レストランを出て館内を歩いているとウエディングドレスの花嫁さんとすれ違った。

全く知らない人なのに見ていて素敵だなと思った。

「綺麗・・・」

「ほんまやな・・・」

2人が館内で撮影をする所が目に入った。

新郎と二人で並んでいる姿に見惚れて足が止まってしまった。

花嫁さんと目があった・・笑って頭を下げると、向こうも笑顔で答えてくれた。

「香澄?」

「あ・ごめんなさい・・・」手を繋いでその場を後にした。

ホテルを後にして車をまた走らせた・・・

森林の中を走り、山を下りていき、今度は海沿い近くの道にでてきた。

「今度は何処へ?」

「ぶらぶらしようか・・・」

海沿いの商業施設にやってきた。さすが夏休み・・・家族連れやカップルで

どこも混雑していた。

潮風に当たりながらのんびりお店を見てまわり、私が手に取るのを見ては

「欲しいか?」と何度も聞いてきた。

「見てるだけ」と何度も言ったような気がした。

「香澄・・今日は何か1個はプレゼントしたいねんけど・・」

「え?でも食事だってそれもプレゼントになるけど・・」

「思い出の物・・何か買おう・・」

と急に言われても・・・さすがに見つからない・・・

考えていると、一件のアクセサリーショップが目に入った。

「ここは?」

「え?ここ?」

この店は・・高すぎる・・そう思っていると、先に入っていってしまった。

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