サンドリヨンに憧れて
「孝男さ・・」慌ててついていくと、飾られている商品をじっと見ていた。

「気に入った物あるか?」

「いや・・別に・・」

「香澄・・・ネックレスと指輪やったらどっちがいい?」

「どっちもいりません」

「え?なんでや?」

「・・・高価すぎます」

「じゃピアスは?」

「穴はあけてません」

「じゃ・・ブレスレットは?」

私の目の前のショウケースがブレスレットだった。

でもどの商品も値段が高い・・・これじゃ・・さっきのネックレスのほうが安かった。

「孝男さん・・ちょっと考えさせて・・」

お店の中を見て回り、何か手頃なの物をさがしていたら、店員さんに声を掛けられた。

「何かお探しですか?」

「いえ・・色々と見ていて・・」

「旦那様からのプレゼントですか?」

「え!そう見えますか?」

「はい・・とてもお似合いのご夫婦ですね・・・」

夫婦って・・・それだけで顔が熱くなってしまった。

「私達・・まだ結婚は・・・」

「あ・・申しわけございません・・」

「でももうすぐ・・・そうなるやろ?」

いきなりの発言に目を見開いて彼の顔を見てしまった。
< 23 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop