サンドリヨンに憧れて
「さてと・・今夜はどうする?」

「そろそろ帰らんと・・道が混んでくるかも・・」

「そうやな・・・」

空の色が段々と変わってきた・・もうすぐ夕方・・・

夕日の沈む所を眺められるベンチに座って暫く海を眺めていた。

「香澄・・・今夜は泊まって帰ろうか」

「え!それは・・・いきなり過ぎませんか?それに今日なんて空いてませんよ」

「ちょっと高めの部屋なら空いてると思うけど・・」

「勿体ないです」

「けど俺は、香澄と泊って・・一緒に・・朝を迎えたいな・・」と耳元で囁かれた。

その声にゾクッとして、言った言葉の内容にさらに驚いてしまった。

「孝男さん・・泊まるって・・・」

「そう・・香澄と・・・愛し合いたい・・」

「え・・・それは・・」

「どうする?・・・香澄・・」

このストレートな発言に困ってしまった。

「あの・・早くないですか?そんなこと・・」

「俺はずっと待ってた・・」

「ほら・・着替えとかもってきてないし・・」

「ここは何処や?買えばなんぼでもあるぞ?」

どうしよう・・急には・・私も覚悟っていうのが・・

そんなことを思っていると、私のスマホが鳴った。

相手は藍子だった・・・。

「孝男さん、ちょっとごめんなさい。藍子・・どうしたん?」

「え・・やっぱり・・香澄やったんや・・」

「え?どういうこと?」

「後ろ・・振り返ってみて」

その言葉通りに振りかえると・・・・藍子と庄司が私達を見て驚いていた。
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