サンドリヨンに憧れて
スマホを持ったまま、孝男さんの腕を引っ張った。

「どうした?」

「動いたら・・あかん」肩に手を置いた。

「え?知り合いか?」

「香澄・・あんた何処で男ひっかけたん!」と言いながら私達の後に歩いてきた。

私は藍子を見て、首を横に思いっきり振った。

「え?何?その人って誰なんよ」

「香澄・・もうバレたか?」課長が後ろを振り返りった時、後ろの二人が驚いて、

「嘘やろ!マジか!」って大きな声で庄司が言った。

「もう!うるさいって、庄司」私は腕を思いっきり叩いた。

「こんばんは。黒田さん」課長はいたって冷静だった。

「こん・・ばんは・・課長・・」藍子も驚きすぎて顔の表情がおかしかった。

この異様な雰囲気に4人が言葉をどう発せればいいのか考えていた。

第一声を発したのは課長だった。

「庄司、これからどうすんねん?」

「あ・・夕食を食べようと思っていたら、藍子が横山を見つけて・・」

「始めは人違いかと思いました。隣は男性やったし・・・でも香澄に間違い
ないと思って連絡を入れたら見事に当たったんです・・」

「じゃ・・お前らには隠してもしゃあないな・・」

「なぁどういうこと?香澄?」

「実は・・」

「俺と、香澄がつきあうことになったんや・・・」

「それ・・マジなん香澄?」

「横山・・・お前大丈夫か?」

二人が物凄く心配そうな顔で言ってきた。

< 26 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop