サンドリヨンに憧れて
「加藤君・・どうや仕事は?」

「東京の時より仕事はしんどいけど、精神的にはこっちの方がずっと楽ですね・・」

「そりゃ加藤君は元々は大阪出身やもんな・・」

「東京から大阪に戻ってきて、課長職にはなったけど・・」

「けど?」

「うちの部署の女子社員がな・・」

それって私達のこと?・・・黙って聞いていた。

「何や?いい子でもおるんか?」

「若い子って扱いが難しいな・・って思う。注意したらすぐに泣いたりするからな・・・」

そりゃあんたは鬼軍曹ですから・・そりゃ泣きますよ・・特に新人さんはね。

「加藤君は仕事に厳しいんとちゃうか?」

「でも仕事は仕事ですから・・・」

「もう少し・・優しくしてあげたらええんとちゃうか?」

「それが・・勘違いを産むんです・・」

「それって経験したことあるんか?」

「まぁ・・東京の時に・・・」

確か東京で問題があったことを噂で聞いたことがあった。

「それじゃ・・仕方ないか・・でもほどほどにしてあげや・・」

「まぁ・・女子社員にしっかりそこをフォローしてくれる子がいるんで・・・」

きっと藍子のことだな・・・と思った。

「今夜はお客も少ないから・・ゆっくりしていったらええよ・・」

「すいません・・・」

ビールを飲んだ後、ちがうお酒を注文していた。


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