サンドリヨンに憧れて
仕事のスイッチがオフになっている課長の顔を初めて見た。

やさしく笑う課長の顔に見惚れてしまっていた。

やっぱりかっこいい・・・あの雰囲気と・・あの笑顔・・・

すると・・課長がこっちの視線に気づきこっちを向いた・・・

「もしかして・・横山さん?」

「か・・課長・・お疲れさまです・・・」

「1人か?」

「あっ・・はい・・」

仕事モード切り替わってしまったらどうしようと一瞬言葉に詰まった。

「よかったら・・一緒に飲めへんか?」

「へ?私とですか?」

「横山さん以外誰がおるねん?」

「せっかくのお時間を・・邪魔するようなことは・・・できません・・」

「俺もな、たまには誰かと一緒に飲みたい時もあるんや・・・」

課長が立ちあがり隣の席に座り直した。

「何飲んでる?」

「カクテルです・・オリジナルの・・」

「まだ飲めるか?」

「まだまだ大丈夫です」

「強いねんな・・・」

「そうですね・・・弱いとは言えませんね・・」

「じゃ・・哲也さん・・おかわりお願いします・・」

「香澄ちゃん、加藤君に食べられへんように注意しいや」

「哲也さん!課長がそんなことするわけないでしょ。ね、課長」

「俺って・・安全な男って思われてるんやな」と笑っていた。
< 4 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop